分子生物物理学
研究室


広島大学
理学研究科
数理分子生命理学

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理学部・化学科

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分子生物物理学研究室における研究

分子生物物理学研究室では,タンパク質構造に内在する動的特性がもつ機能上の役割を解明する研究を進めています.特に哺乳細胞中のタンパク質の50%を占める天然変性領域の動的構造特性による機能制御機構の解明を目指します.

 タンパク質立体構造データのほとんどは,結晶構造解析により得られています.結晶構造は,高い分解能構造を与える一方で,溶液中で本来タンパク質構造が持つ「構造揺らぎ」の情報を失っています.このためタンパク質の高分解能構造が明らかになっても,機能発現機構が理解できない場合は多くあります.このような事実は,タンパク質が機能発現する過程では,その動的構造特性を利用していることを示唆します.
 私たちはNMRを駆使して,タンパク質構造にエンコードされている動的構造を明らかにし,その機能制御における役割の解明を進めいます.

 網羅的ゲノム解析の結果から,哺乳細胞がもつタンパク質の50%は安定な立体構造を保持しない天然変性領域(IDR: intrinsically disordered region)であることがわかっています.これまで構造生物学は,安定な立体構造を持つ部分の高分解能構造からタンパク質の機能を解明することに終始してきました.しかし,上記のゲノム解析の結果は,これまでの研究がタンパク質に備わった半分の性質しか見ていなかったことを示します.すなわち,残る50%の天然変性領域の機能上の役割を解明して初めてタンパク質の持つ役割の全容が理解できることになります.

 私たちはNMRを主たる研究手法としながらも,X線小角散乱(SAXS),一分子FRET計測,分子動力学シミュレーションなどさまざまな研究手法をとりいれて,タンパク質が示す動的構造精密解析を進め,タンパク質の動的構造と機能との相関を明らかにします.とくに天然変性領域を含むタンパク質が示す大きな振幅の構造動態を精密解析を通して,タンパク質構造生物学で取りこぼされた残り50%の天然変性領域が持つ機能を解明します.

分子生物物理学研究室での教育・研究環境

研究室には,最新鋭の700MHz NMR (Bruker Avance700: 4-channel, cyrogenic probe装備)を使ったタンパク質の構造研究ができる環境が整備されています.また,タンパク質試料調製や分析に必要な,CD分光器,UV,蛍光分光光度計,HPLCや遺伝子操作に必要なPCR,DNAシークエンサーなども自由に使えます.タンパク質のNMRスペクトル解析に用いる専用のワークステーションや,タンパク質立体構造計算用のクラスター計算機も整備されており,最先端のタンパク質研究を進める上で必要とな設備は全てそろっています.

 台湾放射光施設を使ったSAXS測定や,韓国のグループとの共同研究による一分子FRET測定などNMR以外の計測技術も取り入れて,天然変性領域(IDR)が持つ物理化学的特性の解明を目指しています.

 研究室での活動を通して,各学生には以下のような技術・能力が習得できるような指導を行います.

● タンパク質試料の調製技術.遺伝子操作によるタンパク質改変技術

● タンパク質研究に必要となる基本的な機器を利用する技術

● 実験結果から,新たな知見を引き出し研究成果としてまとめ発表する能力

● 関連する研究テーマの学術論文を読み,その内容をまとめる能力

 学生は,研究室のセミナーで定期的に研究成果報告,文献紹介を行います.大学院に進学した学生には,研究の進捗に応じて国内外の学会,研究会等で成果発表する機会を与えています.また,海外の共同研究者の研究室に短期間滞在して研究をすすめる機会も意識して与えています.

新着情報

2018.06.01
安田恭大先生,助教として着任.

2017.04.01
吉村優一先生,助教として着任.

2017.05.01
栃尾尚也先生,帝京大学・薬学部・講師としてご栄転.

2015.04.01
高見知秀先生,工学院大学教授としてご栄転.

更新履歴

2018.06.01
研究室HP更新しました.