ウニについて

我々が研究材料としているバフンウニ(Hemicentrotus pulcherrimus)は、棘皮動物門-ウニ綱-エキヌス目に属する、下の写真のような棘に覆われた五放射相称の生き物である。 ただし、私達が使っているのはこの成体のウニではなく、ウニの卵と精子を受精させた後のウニ胚である。

ウニ2

進化の過程において、動物は旧口動物と新口動物に分岐した。 成体の口が原口に由来するのが旧口動物で、原腸先端で形成された口陥から口ができるが新口動物である。 我々ヒト(哺乳類)は新口動物に属しており、ウニが属する棘皮動物は新口動物のなかでもより早い時期に分岐した動物群である。 したがって、ウニを用いて体づくりのしくみなどの生命現象を調べることにより、新口動物の共通祖先がもっていた生命のしくみが見えてくると考えられる。

系統樹

ウニ胚を研究材料に用いる最大の利点は、大量の同調胚を用意に得られることである。 産卵期(1月〜3月頃)に採集したバフンウニを人工的に産卵させると、大量のウニ卵を回収することができる。 これにウニの精子を加えて受精させ、巨大なタンクでカルチャーすると、すべての受精卵が同調して卵割を繰り返し、発生が進行していく。 この大量の同調胚を用いることにより、様々な発生ステージの胚から大量のDNA・RNA・タンパク質を抽出することができるで、発生時期特異的に発現する遺伝子の解析を容易に行うことができる。またウニ胚は、割球の分離などの胚操作が容易なことから古典的な発生生物学の研究にもよく用いられてきた。

ウニ卵を回収